「それはいいな。素直じゃない結衣の本当の気持ちが聞ける。なあ、俺のこと好きになってきた?」

頬を掬いあげられジッと熱を孕んだ瞳で見られると、もはや私は白旗を上げるしかない。
自分の頬が熱くて、真っ赤になっているのが解る。

恥ずかしいし、生きるのに必死で恋愛偏差値ゼロの私は駆け引きなどわからないし、どうしていいかもわからない。
ただ、目を逸らしながら小さく頷く。

それと同時に、ふわりと光輝さんが微笑む。それは柔らかで大好きな光輝さんの笑顔だ。

「俺は結衣と出会った頃より、今の方がずっとずっと好きだ」
さらに追い討ちをかけるように、いつもより低く甘い声が耳元で聞こえて、背筋がゾクリとする。
それと同時に、光輝さんの瞳が近づいてくる。

「嫌なら拒否して」
少しだけ緊張した言葉にも聞こえ、私は小さく首を振ると静かに目を閉じた。
すぐに優しく唇が温かくふさがれる。
何度も啄むように繰り返されるキスに、私はキュッと光輝さんのシャツを握りしめた。
聞かなければいけないことも、話さないといけないことがあるのもわかっている。

でも、今はこの幸せなぬくもりだけを感じていたかった。