なによ。意味がわからない。
あの場から感情に任せて逃げるように出てきてしまった私は、そのままの勢いで電車に乗り込んだ。

電車の窓から見える景色を見ながら、小さくため息を付く。
どうしよう。早く仕事見つけなきゃ。バイト先もTAコーポレーションだし首かな……。

いくら腹が立ったからと言って、仕事先の副社長にあの態度はなかったのかもしれない。
寛貴の為に我慢すべきだったのか……。

そんなことを今更思ったところで、もう遅いだろう。

しかし西村室長の言葉を思い出す。婚約者がどうとかまったく仕事とは関係がないような話だったし、副社長自身は、私がいることに驚いているような気さえした。

いくら考えてもわかるわけもなく、どんどん気持ちは憂鬱になっていく。

夕飯もまだだったが、食べる気さえしない。ため息を付きたいのをなんとか抑えると、私はトボトボと家までの道を歩き出した。