カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~

私は斗真さんの計らいで、昨日から支社の近くのビジネスホテルに滞在している。
大宮は自宅アパートから引っ越すほどの距離ではないが、慣れるまでは朝が大変だろうと言うことで、一か月宿泊費を出してくれるらしい。

しかしこちらだってバカではないし、実際は私を隼世さんから遠ざけるための措置だということは承知している。

心配しなくても、私はもう彼のことはあきらめるつもりだ。

この土日、隼世さんから連絡はなかった。月曜に出勤をするかの確認をされただけで、アパートへ追いかけてきてくれる様子もない。同僚としては頼りにしている存在だが、もう結婚相手としては考えていないということだ。

きっと、私が自分から彼のマンション出て行くのを待っていたのだろう。

音沙汰のないアパートでトドメを刺された私の心は無惨にも打ち砕かれ、こうして大宮へ逃げて来たのだ。
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