カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~

ワイシャツだけの姿になった彼はギシッと音を立て、私の顔の横に両手をついて重心をおろす。

「このベッドにきみを押し倒す妄想を、幾度となくしてきた」

ーードクン、と心臓が甘く音を立てる。

隼世さんの黒髪が揺れ、澄んだ瞳はまっすぐに私を見下ろしている。
腕の間に収まった私には逃げ場がない。それどころか、この射るような瞳に見つめられるているだけで、とても動けそうにない。

「何度も。いけないと思いながら、止められなかった。きみが隣の部屋にいたときも、いなくなった後も。抱きたくてたまらなかった」

そんな。隼世さん……。

今まで私とすれ違ってきた反動だろうか。まったく疑いようのない、私を抱きたいのだという意志を包み隠さず告げられて、こちらは熱いお湯に溺れていくかのように、正常な呼吸ができなくなっていく。
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