カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~
彼女の真相





それは一か月前のことだった。

私、星野菜々花は、二十五歳になったのを機に婦人科検診を受けるため、総合病院へやって来た。
産婦人科の受付の先で産婦人科、婦人科、小児科のブースに分かれており、待合室には妊婦さんや若い夫婦が数人腰掛けている。

私は先ほどピンクのカーテンに仕切られた診察台で超音波検査を受け、結果を待っていた。
しばらくして、検査をしてくれた三十代くらいの綺麗な女医さんの個室へ呼ばれるとーー。

「え……? 腫瘍(しゅよう)?」

「はい。左の卵巣に腫れがあります」

先生はマスクの上の澄んだ目を瞬かせ、そう告げた。
異常があるなんてまったく予想していなかった私はチンプンカンプンのまま首をかしげる。
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