カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~

なんて無理矢理な告白だろう。
手順はあり得ないし、カタブツな課長らしくない。

でも、そんな彼が殻を破って、私へのあふれる想いを口にしてくれたのだと思うと胸がいっぱいでたまらなくなる。

一周回ってとてもロマンチックだ。

ダメだ、余計に好きになってしまったかもしれない。

真摯な瞳で私を捕えている彼に、すぐにオーケーの返事をしそうなくらい惚れ直している。

勤め先の御曹司と結婚だなんて、いろいろと障害が待ち構えているに違いない。簡単にはいかないだろう。
しかし私にはこの告白を断ることはできそうにない。

「……よろしくお願いします……」

夢見心地のままつぶやくように返事をすると、彼は心底ホッとした顔になり、初めて見るくらいに穏やかな笑顔を浮かべて「はい」とうなずいた。
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