【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書

side若葉



 「うん。美味しい」
 
 「本当に?よかった」
 
 「いや、本当に美味しいよ。唐揚げ久しぶりに食べたけど、こんなに美味しかったんですね」

 「確かに。美味しいです」

 「本当にありがとう。若葉さん」

 「いえ。あたしの方こそ、ありがとうございます」

 「いえ。……あの、若葉さん」
 
 「はい?」

 「……さっき同僚の刑事から連絡があって」

 「え?」

 「若葉さんの言っていた男らしき人が、見つかったそうです。……今一課が容疑者に任意で、事情聴取をしています」

 「……そう、ですか」

 「ただその本当にその男なのかは分かりません。……ですがその男のアリバイを確認した所、証明出来る人はいないそうです」

 「……じゃあ、その人が、あたしを……?」

 「いえ……そこまではまだ。……ですがまだ彼は、容疑者の段階なので。何か証拠がない限り、彼を逮捕することは出来ません」

 「……そうですよね」

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