【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書

side若葉



 「笹木さん、またご足労させてしまい、申し訳ありません」

 「いえ……」

 「では、早速なんですが、事件当時のことをもう一度教えていただけますか?」
 
 「はい」

 あたしはもう一度、刑事さんに事件当時のことを話した。あの時から思い出すことは、それ以上なかったけど。

 全部ウソ偽りなく話した。刑事さんは頷きながら聞いてくれた。

 「うん……この前言ったとおりですね。矛盾はありませんね」

 「……あの、犯人はまだ見つからないんですか?」

 「いま捜査中です。容疑者はいるので、アリバイを含め捜査している最中です」

 「……はい」

 「大丈夫です。必ずしも我々が、犯人を捕まえてみせます」

 「……はい。よろしくお願い、します」

 「はい。今日は、ありがとうございました。帰っていただいて、大丈夫です」

 「分かりました。……あの、刑事さん」

 「何でしょうか?」

 「裕太……いえ、川畑さんが言っていました。皆さんは仲間だから、信じているって」

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