イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
そっと、私が会長の顔を見ると。
会長は、あー…と明後日の方を見て。
「…今日は、売り切れてた」
そう呟くので。
流奈さんだけじゃなく、副会長までがくすくすと笑う。
私はどうしたらいいのか分からなくて、また俯く。
「お前らなに笑ってんの」
「笑ってない笑ってない」
「笑ってんだろ」
「笑ってないって」
「つーか未来はどれでもいいからさっさと食え」
笑われて機嫌が悪いらしい会長は、随分偉そうに言った。
偉そうなのは、今にはじまったことじゃないけど。
「はい…頂戴します」
買ってきてもらったんだから、文句も言えない。
「有難く食えよ」
「はい…」
そんなこんなで。
会長に指名された私の、平凡でも平和でもない日常が、幕を開けてしまった。