イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛


そっと、私が会長の顔を見ると。


会長は、あー…と明後日の方を見て。


「…今日は、売り切れてた」

そう呟くので。



流奈さんだけじゃなく、副会長までがくすくすと笑う。


私はどうしたらいいのか分からなくて、また俯く。



「お前らなに笑ってんの」

「笑ってない笑ってない」

「笑ってんだろ」

「笑ってないって」

「つーか未来はどれでもいいからさっさと食え」



笑われて機嫌が悪いらしい会長は、随分偉そうに言った。


偉そうなのは、今にはじまったことじゃないけど。



「はい…頂戴します」

買ってきてもらったんだから、文句も言えない。


「有難く食えよ」

「はい…」




そんなこんなで。


会長に指名された私の、平凡でも平和でもない日常が、幕を開けてしまった。


< 58 / 432 >

この作品をシェア

pagetop