「放電は二、三日で落ち着くと思いますが、念のため、一週間はお休みをとった方がいいでしょう」
「一週間!?」

 ベッドに座り込んでいたリリアの頭で、ふわふわの狐耳がビョッと立った。

「だって姫様、周りの学院生は、全員ただの人間ですよ? もしクシャミ級のこの放電を受けたとしたら、最悪、心臓が止まります」
「うっ、で、でも、領地経営関係の授業が、いくつか入っているの」
「学院に連絡して、その分の講座資料を取り寄せますよ」

 本当は、休むこと自体が嫌なのだ。リリアは、ナイスな返しをしてきた優秀な執事アサギを前に、言い訳が続かず困った。

 十三歳で学院通いが始まってから、たびたび成長期のこういった事情でお休みをしていた。けれど、どれも一日、二日で済んでいた。

 それなのに、今回は一週間も?

 学院の令嬢達に、逃げたと思われたくない。サイラスに休みの理由を知られて、こけおろされて馬鹿にされたくない……。

「リリア、俺の可愛いリリー。アサギの言う通りにしなさい」

 そばに来たツヴァイツァーに、愛情深く名前を呼ばれて、熱で弱っているリリアはつい金色の目をうるっとさせた。