「ふっ、アサギにも『大丈夫』って言って来たんだから、ここで心を乱して放電なんて、絶対にしないわよ」

 リリアは負けず嫌いに火が付いて、堂々と移動し授業を受けた。

『第二王子とは、婚約者同士うまくいっているのか?』
『さぁ、どうなんだろう……』

 ――そう、不仲説の揺らぎについて、こっそり交わされる噂は耳に入らない。

 講義の時間が終われば、遅れた分の授業内容を復習した。次の授業開始までには移動して、またしっかりと勉強に励む。

 本日の日程は、気付けばあっという間に終わってしまっていた。

 そんな中、リリアは通り過ぎようとした掲示板に「んん?」と目が吸い寄せられた。

「希望制の講座か……これ、私が休んでいた間の項目よね」

 これは、受けるべきか、受けないべきか。

 そんなことを、リリアは廊下で立ち止まって考える。しかし不意に、廊下の外側がにわかに騒がしくなった。

 女の子のびっくりした悲鳴も、遠くから聞こえてきた気がした。