きみのこと、極甘にいじめたい。

燃やして消す





家に帰ってすぐ、理太に問う。


「で。理太(りた)は何しに学校にきてたの? 転入するのは明日でしょ?」


「書類に不備があったとかで呼び出されたんだよ。それよりコレ何?」


「特製ジュースです」


「なんで?」



「同居を黙ってくれて、親戚ってことにしてくれたから、その場を乗り切れたし……お礼です」


「ふーん。さんきゅ」



家のリビングで、あたしが差し出した緑の飲み物をなんなく受け取る理太。


ふ、マヌケな同居人め。



へっへーうそだよー。それは激マズドリンクです。



『学校で一切あたしに絡まないで』ってあんなに頭下げて頼んだのに、転入前の段階でそれを破ったこと、許さないんだから!



この人は、夏八木 理太(なつやぎ りた)、来週から同じ高校に転入する、同い年の二年生。



両親は事実婚で夫婦別姓を選んだから、あたしと理太は元のままの苗字だ。



理太とは中学の時に出会い、中1の約一年間同じクラスだった相手で……悪いことに、あたしが告白してしまった例の相手なんだ……。


そう、つまりこいつのせいで、親友たちに仲間外れにされたと言っても過言ではない。


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