もふもふになっちゃった私ののんびり生活
3 もふもふ幼女からもふもふ少女へ

 それからは、毎日お風呂に入り、二日に一度は野菜スープを作って飲んだ。

 結界の中も日が経つにつれ、だんだん曇りの日や、風が吹く日も増えて来た。その内雨が降る日も近いだろう。
 そんな五歳になったある日。とうとう私は畑を作り、種を蒔くことにした。

 貯蔵庫の神様が用意してくれていた野菜が減って来ているので、無くなる前に畑を作って自給自足しなければならないのだ。
 なので無理せず、のんびりと時間を掛けて家の裏の畑に生い茂る草を刈り、土を耕した。

 草を刈るのには魔法を使い、草の根は土に干渉して土を柔らかくして、草の根っこを浮かび上がらせた。

 ただ土から半分出ている草を引っこ抜いて畑の外へと運ぶのは、今は六歳くらいに成長したが一度にそれ程進まないのでこつこつと作業を続けた。

 次は石の除去だ。石のような硬い物を砂まで砕くには、一つ一つ手を添えないとまだ魔力で干渉できないので、歩きながら魔法で土を柔らかくし、石を見つけると手に取って砕いて行った。
 この作業が結構かかり、森から腐葉土を持ち帰り、土に混ぜて種蒔き出来る状態にするまでに草を刈り始めてから三か月近くかかっていた。

 後は魔法で畝を作り、貯蔵庫にあった種や苗を植え、水を魔法でやったらあとは雑草を抜いたり世話をして成長を見守るのみだ。

「よーし!種蒔きも終わったし!まだ耕した場所が空いているから、今日は森へ行って、自生している芋や野草を植えよう!」

 ルンルンと小さな籠に家を囲む低木の果樹から果実を摘んで入れ、家の中でもふもふ姿になってから外へと出ると、籠を咥えて森へ走った。

 精霊樹の脇を通り抜けて森へと入り、少し奥へ入った場所で籠を置くと少し離れた場所に寝そべる。すると、それを待っていたかのように木の上から以前に見たリスに似た小動物が何匹も降りて来た。
 籠の中から果物をとり、両手で持って食べている姿を頭を低くして同じ目線で見守る。

 くうーーっ!!も、もふもふしたい!抱きしめたい!撫でまわしたーい!

 思わず興奮してはっ、はっ、と呼吸が荒くなってしまい、こちらを警戒してじーっと見つめられてしまった。

「キューーン……」

 しょぼんとしながら更に伏せると、安心したようにまた果物を食べだした。

 くーーっ。やっぱりかわいい!もっと慣れて貰えば、一緒に遊んだり人の姿でも撫でられるようになるかな?なるといいな!

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