【完】イミテーション・シンデレラ
Act 8  スポットライトより眩しい恋。 願うだけじゃ叶わない!

Act 8  スポットライトより眩しい恋。 願うだけじゃ叶わない!




「ねぇ!昴知らない?!」

ステージ上にお客さんは続々と入場していた。

ステージ脇でスタンバイしていた真央は、真っ白のタキシードに身を包み青い顔をして椅子に座っている。何やらブツブツ独り言を言いながら。

その横で真央のマネージャーの坂上さんが大汗をかいて、はらはらとした表情を浮かべる。

「あ、岬ちゃん…ま、真央くんは今ナーバスになってるからね…」

真央の胸倉を掴むと、坂上さんは大慌てで止めに入る。

「何すんだよッ!き、緊張してんだぞ?!」

知るかよ!どこまで豆腐メンタルなんだ!こちらをぎろりと睨みつける挑発的な態度、それとは裏腹に指先がぷるぷると震えている。

「み、岬ちゃんってば…!お、落ち着いて!」

「昴はどこよッ」

「昴なんて知るか!お前随分余裕だなッ。
大体メールや着信の返事も返さないで! つーか、どうなってんだよ?!静綺も朝から大騒ぎしてたぞ。連日お前と一条類の熱愛報道がテレビで流れてるって!
お前あんなアイドルとマジで付き合ってるのかよ!」

「そんなの今は関係ないでしょう?!昴は――?!」

< 181 / 265 >

この作品をシェア

pagetop