子犬系男子の甘い溺愛が止まらない
僕の彼女になって



結衣(ゆい)悠太(ゆうた)行ってらっしゃい。 気をつけてね?」



玄関で、可愛い妹と弟を見送る。


お母さんとお父さんは共働きで、朝が早い2人はわたしたちよりも先に家を出てしまう。


だから、結衣と悠太を見送るのはわたし、綾瀬(あやせ) 初花(ういか)の仕事。


この春、小学3年生になったお姉さんの結衣。


そんな結衣の服の裾をギュッと掴んで不安そうにしているのは、まだ全然馴染まない体より大きいランドセルを背負った、小学1年生の悠太。



「悠太、ちゃんと結衣お姉ちゃんの言うこと守るんだよ?」



膝をついて目線を合わせて、優しく伝える。


悠太は寂しがり屋の甘えん坊。


おまけに人見知りで、新しいことは苦手。


慣れれば元気で明るい素直ないい子なんだけど……


新しいところへ送り出すのは、姉としてはやっぱり心配で母親のような気持ちになる。



「結衣、悠太のことお願いね」


「もっちろん! 結衣に任せて!」



結衣は悠太の真逆の性格で、とても頼もしい。


そのせいでちょっと空回りしてしまうこともあるのだけれど。


そんな2人の背中を見送ってドアを閉めた。




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