東京ヴァルハラ異聞録
一時代の終焉
秋葉原。


何とかカラオケ店に戻った俺達は、篠田さんと共に三階の店に。


御田さんは、梨奈さんの亡骸を埋葬してくると途中で別れたけど、すぐに来ると言っていた。


俺は西軍に戻ってから傷が治り始めたけど、どういうわけか篠田さんの怪我は治らなかった。


総力戦は終わっていたようで、久慈さんが俺達を迎えてくれた。


「タケさんがこんなに……何があったんだ結城!どうして回復しない!」


「お、俺に言われても……西軍に戻れば治ると思ったんですけど」


考えればおかしい事だ。


あれだけ北軍の人を殺したのなら、瞬間回復をするソウルくらいあるはず。


なのに、回復もしないなんて。


それに……やはりあの決闘がおかしい。


そんな話をしていると、御田さんが戻って来た。


「うるせぇな。とりあえずメシだ。久慈、肉を注文してくれ。ビールも一杯くれよ」


久慈さんにそう言い、椅子に座った篠田さん。


「……まさか。い、いや、肉とビールですね」


何に気付いたのか、慌てた様子でPBTを取り出して注文をする。


俺と御田さんも椅子に座って、食事を注文した。


「久慈……すまねぇな。わがままを言ったのに、梨奈を助けられなかった」


「そうですか……何て言えば良いんですかね」


それは、真由さんにという事だろうな。
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