東京ルミナスピラー
拳帝と呼ばれる男
空が白み始めた午前5時、早い時間に寝た俺は目を覚まして、ベッドの上で伸びをした。


「ふぁぁ……って、あれ? ああ、そうか。俺は、光の幕の中にいるんだ」


いつもの自分の部屋じゃないことを確認して、もうひと眠りしようかと思ったけど、ぐっすり10時間も眠ったから眠くない。


昨日入れなかったからと、服を脱いでシャワーを浴び、歯を磨いて部屋を出た。


この時間だからまだ誰もロビーにはいないだろうと思ったけど、腹が減ってたまらない。


エレベーターに乗って一階に降りてロビーに出ると、そこには杉村とひなたさんの姿が。


ソファに座って弁当を食べているじゃないか。


グゥゥゥッという音が腹から聞こえて、その音が大きかったのか二人が俺の方を向いた。


「ヘイヘイヘイ! 腹ペコかピヨ! あまりデカい音だったから、聖戦でも始まったかと思ったぜ!」


「杉村さん、それは大袈裟だよぉ」


杉村の発言に、ニコニコしながらひなたさんが答える。


「は、早いですね二人とも。まだ5時半だって言うのに」


「お前も起きてるじゃねぇかよ! それよりここに座れよ。この俺が食事を恵んでやるぜ」
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