東京ルミナスピラー
絶望の鬼
「はぁっ!? 四人で朝の聖戦に行ったら、葵くん以外全員死んじゃった!? 何やってるのよ! 葵くんは一人で逃げてきたわけ!?」


ホテルに帰るなり、ロビーにいた舞美さんに一人でいる理由を尋ねられて。


俺が北軍での成り行きを説明すると、物凄い剣幕で詰め寄られてしまった。


帰ってくる途中で聖戦が終わって、引き上げる北軍の軍勢から隠れながら戻って来たのに。


帰ったと同時にこんなに責められるなんて。


「まあまあ、舞美ちゃん。聖戦は甘くはないってことだよね。いくら俺達が鬼狩りをしたところで、本当に強い人間には勝てないってことだよ」


朝の聖戦が終わって復活したのか、浜瀬さんが缶ビールを飲みながら舞美さんを宥めてくれる。


「それは……そうかもしれませんけど! これじゃあいつまで経っても私達は強さを手に入れられないじゃないですか! 聞けば聞くほど、北軍にはとんでもない人達ばかりなのに!」


舞美さんの言う通り、北軍には俺が手も足も出ないような強さの人が沢山いるのは事実。


でも、西軍にもタケさんみたいな人もいるし、まだ出会っていないだけで凄く強い人もいるかもしれないけど。
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