翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?
わたしだけ苦しいなんて



翌日。
授業なんかうわのそら。

前からプリントがやってきたから条件反射でそれを後ろに回しただけだ。

ぼんやり身体をひねったら、私と同じくらいぼんやりしてた岡崎君の側頭部にチョップを入れてしまった。

頬杖をついて校庭を眺めてた岡崎君は手でそこを庇ってちょっと私を睨んだ。

「痛い」

「ご、ごめん」

私もぼーっとしてたけど、岡崎君もそれ以上に呆けてなかった?

彼の視線の先にあったものを探ってやろうと校庭を見たらA組の女子が体育の授業中だった。

トラックに行儀よく並んで、キャッキャしちゃって。

これから何かのタイムでも測るのかな?
なっちゃんどこかなぁ?
男子は体育館っぽいな。
……つまんない。


いや。私の感想はどうでもよくて。
岡崎君、もしかして誰かにみとれてた?
< 141 / 347 >

この作品をシェア

pagetop