幸せの鐘
不穏な動き

「転校生?今の時期に転校って
普通なのか?」




「ちょっと変な時期だよね。」



帰ってその事を蒼汰くんに話すと
難しい顔をして考え込んだ。




「そいつ変な所とかないか?」



変な所・・・



「んーちょっと雰囲気が怖いかなって
感じたけど話してみたらそうでも
なかったんだよね。」




「杏、そいつに近づくなとは言わねぇけど
あんまり一人になるな。」




「わかった。」





学校で一人になることは
そうないから大丈夫かな。




ほとんど麻友と一緒にいるし。





次の日学校に行くと一ノ瀬くんは
もう来てて机に顔を伏せてる



これっておはようって言うべき?



寝てたら悪いから声かけないほうがいいよね




声をかけないまま座ると顔を上げた
一ノ瀬くんは私をみて笑った。




「おはよう梶原さん。」



「一ノ瀬くんおはよう。
来るの早いんだね。」



「家を出る時間間違えちゃって。」



だけど、この些細な出来事が
新崎組の史上最悪な抗争に発展するなんて
誰も思ってなかった。





「あ、やっぱり筆箱忘れちゃってたんだ。」



昨日カバンに入れたはずの筆箱が
帰ったら入ってなくて探してたんだぁ。




私のこの行動を不気味な笑みを浮かべてる
一ノ瀬くんに私は気付かなかった。
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