ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
叫びながらベッドから起き上がると、そこには兄ではなく、健となぜか明莉の姿があった。
夢……?
っていうか、なんで明莉がいるの?
「詩恩! 大丈夫⁉ うなされてたよ⁉」
「あぁ……なんか夢で下手くそな歌聞かされてた……」
頭を押さえながら答えると、明莉がチラッと健の顔を見た。
「……ごめん。それ俺のせいだ」
「は……?」
話を聞くと、俺は玄関で倒れたしまったらしい。
そのまま健がベッドまで運んだのだけど、苦しそうにしていたので癒そうと歌っていたんだと。
だから、月とか星とかベストフレンドって聞こえてきたのか。
っていうか、健ってこんな音痴だったのか。
「それより、なんで明莉がいるの?」
「あぁ! 詩恩に服返したいって言ってたから、一緒に連れてきちゃった!」
健が説明していると、明莉が紙袋を渡してきた。
「……この前はありがとね」
「ん」
紙袋を受け取り、短く返事をした。
「……私のせいで詩恩に風邪引かせちゃってごめんね」
「別に……そっちは?」
「大丈夫。バカは風邪引かないって言うし……」
「フハッ。自分で言うのかよ」