My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】

2.女海賊


「リディアンちゃんおかわり~!」
「はいはーい!」
「姐さんこっち酒頼みまーす!」
「はーい!」
「セリーンさーん、こっちもー」
「今行く」

 ギャレーのすぐ隣の食堂は今日も朝から大騒ぎだ。
 船員たちはいつも2組に分かれて食事をとる。先にこれまで起きていた夜番の人たち、その後これから働く人たち。私たち女性陣はその間給仕として働き、皆が食堂を出た後でいつもゆっくりと食事をとっている。

 仲間が皆食事を終える頃、肩にグレイスを乗せた船長グリスノートが立ち上がり良く通る声で告げた。

「そろそろあいつらの縄張りだ。いつ現れてもおかしくねぇ。てめぇら気を引き締めていけよ!」
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