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「……なぜ、あんなにも可愛らしいんでしょうか……」

 シュゼット嬢との二人きりのお茶会を終え、俺は自室に戻ってきていた。そして、いつものようにシュゼット嬢の衣装ノートを取り出し、本日の日付と衣装を書き込んでいく。初めは拙かった絵も、ほぼ毎週のように描いていれば自然とうまくなるというもので。最近では満足の出来るものが描けている自信がある。まぁ、誰にも見せないので所詮自己満足でしかないのだが。

 しかし、本日は悲しいことに俺の寿命が縮まる出来事があった。なんといっても、愛しの婚約者であるシュゼット嬢が俺に婚約の解消を求めてきたのだ。……正直、寿命が二十年ぐらい縮んだんじゃないかと思った。だが、シュゼット嬢と同じだけ生きるために気合で寿命を呼び戻す。だから、大丈夫。俺はシュゼット嬢とずっと一緒にいられる。

「今日の装いは女神のようでしたね……。ほかの女性など足元にも及ばない……」

 そんなことを呟きながら、俺は衣装ノートを閉じて元の場所に戻した。やはり、シュゼット嬢は何を身に纏っても似合うが、一番は淡いブルー系統だろうか。ドレスであろうが、ワンピースであろうがシュゼット嬢の魅力をうまく引き立てている。カイレ子爵家はあまり裕福ではないからか、シュゼット嬢は衣装をよくリメイクして着ている。あぁ、それでも似合う。似合いすぎる。早く俺の元に来てくれればいいのに。そうすれば……もっと、美しく着飾れるのに。