エリート官僚はお見合い妻と初夜に愛を契り合う
仲直りの鯛茶漬け

 大型連休が明けた火曜日は、先週と同じく料理教室の男性クラスがあった。

 今日の授業は先週のお弁当作りの応用編で、行楽に持参するような、豪華なのり巻きのお弁当を作る予定。

 巻きすの扱いに慣れるまでが大変だけれど、一度コツを掴めば簡単だし、中の具に工夫を凝らせば、色々な行事食に応用できる。

 前回の授業は時成さんの爆弾発言のせいで調子が狂ってしまったので、今週はしっかり平常心で臨みたい。という、心意気だけはあるのだけれど……。

「え~、なんですかそれ。婚約者さん謎すぎます」
「だよね。でもわざわざ外にお酒を飲みに行く理由なんて、私のいる空間に耐えられなかったとしか思えなくない?」

 今日の私もコンディションはイマイチで、いつものキッチンスタジオの教室で授業準備をしながら、アシスタントに愚痴をこぼしていた。

 昨日はあのあとも結局、時成さんとろくに話ができなかった。

 彼はもともと休日だったはずなのに、シャワーを浴び終えてすぐ『休日出勤する』と言って家を出て行き、帰りも夜遅くになってからだったのだ。

 夕食は要らないとメッセージがあったため、料理の腕を振るう機会もなかった。

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