御曹司は魔法使い⁉︎ ② 〜私達、結婚式を挙げます!〜
束の間の逢瀬 side昇平
香がいる。俺の腕の中に。
いつもと同じ、俺の大好きな香の匂いがする。

「香…やっと会えた。」

「昇平? 中に入れてくれないの?」

そこで俺はここが玄関先だと思い出した。

「…どうぞ。てか、このままベッドに行く。」

靴を脱いだ香の手を取って寝室に向かう。

「え⁉︎ ちょっと?
昇平! なんでベッド⁇」

「1ヶ月ぶりなんだ。もう限界!
俺達こんなに離れてたことなかったんだぞ。
まずは抱かせろ。」

「……‼︎
ダメだよ! ねぇ…ねぇ!
私、話したい事があるの。聞いて?
ずっと、態度悪くてごめんなさい…私…」

「後で聞くから。
……頼む。抱かせてくれ。
香がここにいるって感じたいんだ。」

「じゃ、じゃあ、せめてシャワー…」

「それも後。待てないよ!」

そう言って寝室に連れ込んだ俺は、有無を言わさぬ勢いで香を貪った。






1年の遠距離恋愛。覚悟の上で上京した。
もちろん、俺達がたったの1年でダメになるような関係だと思っていない。香と付き合いだして7年だ。今さら、他の女なんて考えられない。俺達は大丈夫だ。…そう自分に言い聞かせてこの1ヶ月過ごしてきた。
でも、香の様子が段々とおかしくなってきていたのは気づいていた。

< 69 / 230 >

この作品をシェア

pagetop