幼なじみは一途に絡まった赤い糸をほどく◆おまけのお話追加しました◆
エピローグ~政宗~
窓から薄明かりが射している。
ぼんやりとした意識が次第にはっきりし、ここが小春の部屋だったと気付いた。
いつの間にか夜が明けたようだ。

隣を見れば愛しい小春がすやすやと寝息をたてていた。乱れた髪がやけに色っぽく、昨夜の情事を思い出して思わず笑みがこぼれた。

もしかしたら少し無理をさせてしまったかもしれない。小春を自分のものにできると思ったら制御が利かなかった。今まで制御していた理性は何だったのか、一瞬で吹き飛んだ。

それくらい、俺は小春に夢中になった。
小春しか見えなかった。

髪を掬って耳にかけてやる。いつかのデジャブのようだ。あの時できなかったことを、今ならできる。

俺は小春の可愛い寝顔にそっとキスを落とした。小春はうんと身じろぎ、それがまたたまらなく可愛い。ずっと見ていられるくらい、大好きだ。

俺は小春を起こさないように、そっとベッドから出た。早朝の空気はしんとしていて身が引き締まる。
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