さて、プロムである。

 詩歌ちゃんは結局のところ一条くんと一緒に行くことになった。
 割と渋々な感じではあったが、一条くんと行くのが嫌というよりは、私と行けないことを心配してくれている感じだ。だからこそ、私は詩歌ちゃんに甘えてはいけないと思ったのだ。

 一人、ドレス姿で会場に入る。
 今日のドレスは、詩歌ちゃんと明香ちゃんと買いに行ったものだ。プロム用のドレスはワンピースよりドレッシーで派手なものだ。特にワルツを踊る予定の女子は裾の長いドレスを選ぶことが多い。
 ドレスコードは一応フォーマルなのだが、おふざけは大歓迎なので、受け狙いでお笑い芸人のような子も、コスプレのような子もいる。

 私はワルツを踊る予定はないし、お手伝いをしようと思っていたので、ミディアム丈のドレスにした。
 ゴールドの光沢と張りのある生地のワンピースだ。トップスはVネックで、肘までの装飾レースの袖がある。バナナ柄ではない。レンギョウのような細かい花のレースだ。黒いサテンのリボンでウエストを締め、膝丈のテールスカートは裾に黒いサテンの縁取りがある。綱色のムラーノガラスのネックレスを胸元に飾る。色がはっきりしている分、デザインはシンプルな形にした。