そうして、二年。

 今日、綱が日本に帰ってくる。
 宣言通り、大学をスキップし、二年で資格もすべて取った上での堂々たる凱旋である。
 梅雨の合間の晴れの日で、少し蒸し暑い。

 綱と言えば、三峯くんとグルになって企業買収などのコンサルタントを立ち上げて、経済界で三駒ファンドなんて呼ばれるようになってしまった。淡島先輩が絶対バックについていると思う。大学病院や、政治関係者からどうやら結構な資金を得ているようだ。
 三駒ファンドは芙蓉銀行も無視できない存在になってきたらしく、帰国後の綱のアポイントメントを枡頭取が私のお父様に申し入れて来た。今度、枡家、白山家、生駒家で食事会をすることになった。
 枡さんとは京都の食べ物を教えてもらう仲になっていて、会えば一応嫌そうな顔をするけれど、本気ではない、たぶん、多分大丈夫。
 
 そして私も光毅さんから綱に顔をつないでほしいと言われた。
 我が白山フードサービスも人ごとではないらしい。たまに、お父様と生駒が悔しそうに、また嬉しそうに三駒ファンドの悪口を言っている。

 私も白山茶房を乗っ取られないか戦々恐々としているが悟られてはならない。