「姫奈子おねえさまー!」

 二階堂くんの妹、智ちゃんが歓声を上げて手を振ってくれる。嬉しくなって手を振り返せば、キャァと一年生女子の歓声が上がる。一年生は元気いっぱいだ。

 ピストルの号砲が鳴り響いて一斉に走り出した。先頭は修吾くんで追いかけるようにして二階堂くん。放水ポイントを越えたところで水鉄砲での攻撃が始まる。

 詩歌ちゃんは一年生男子を着々と攻略し、八坂くんは笑顔で女子の動きを封じる。
 私は八坂くんに目を奪われている女子たちのポイを打ち抜く。事前に決めた作戦だ。嫌われ役だと思ったが、みんな八坂くんに打たれたと勘違いしているようで、へなへなと砂浜に座り込みポーっとしている。八坂くんグッジョブ!
 綱も彰仁も私を見ても容赦ない。楽しそうに放水してくるから、私も負けじとやり返す。
 それがとても楽しい。太陽のかけらのように光る水しぶきが、冷たくて気持ち良い。 

 給水ポイントでもある砦を取ったのは、修吾くんと二階堂くんと綱だ。砦を占拠できなかった一年六組は戦いに不利になる。
 その他三クラスはかなりの接戦でどこが勝ってもおかしくない。修吾くんと彰仁が中心になっている一年一組は大奮闘なのだ。

 危機感を感じながら給水ポイントで給水する。
 やっぱり最終年度だ。ここは勝っておきたい。

 というか、彰仁には絶対に負けられないんだから!!

 鼻息荒く気合を入れ直し、さて参戦と思ったとき、クラスの女子に呼び止められた。外部生の派手目で明るい子だ。