夏休みである。

 しかし、テンションは低い。
 何しろ今年は最終学年。綱の予定が忙しすぎて、一緒に別荘には行かないといわれたのだ。
 私も塾の講座はいくつか取ったが、綱は塾にくわえて、車の免許を取るために教習所の合宿に参加するらしい。それ以外にも学習系の合宿と、今年は生駒の実家に綱だけ長期で帰省する。

 全然、綱と遊ぶ時間がないのである! 
 だって、受験勉強と称して二人で図書館に行ったりだとか、ちょっと期待していたのだ。別荘地の図書館に自転車で二人。少女漫画のような青春ができるかもと思っていたのに、綱は別荘地に来ない。がっかりだ。

 私は誕生日が先だから教習所には行けないし、学習系の合宿は学力の関係で混ざれないし、不満ブーブーでいれば彰仁に怒られた。
 曰く「いい加減自立しろ」である。
 別に綱に頼っているわけではない。単純に好きな人と一緒にいたいだけなのだが、それを彰仁に言えるわけもなく、唇を噛むしかない。

 せっかくの誕生日にも会えないし。ってことはパーティーもできないし。おめでとうって言いたいのに。

 今まで喧嘩していても誕生日は祝ってきた。それなのに、予定を聞いたら当たり前のように居ないと告げられたのだ。
 不満に思いつつも、当日はメッセージをスマホに送り、彰仁と一緒にプレゼントを贈った。本当はケーキを焼いて、唐揚げをあげてパーティをしたかったけれど仕方がない。
 綱にしてみれば、きっとどうでもいいのだ。