天色ガール
第1章
翠蘭高校
「んー〜〜…、寒っ!」
まだ少し眠気が残っていたが、毛布を退けて襲ってきた寒さで完全に目が覚めた。
カーテンの隙間から差し込む陽の光に目を細め、ゆっくりと体を起こす。
「(…さっさと準備しよ)」
今まで不登校だったあたしは、今日から学校へ通う。
いじめのせいで学校に行ってなかったなんてヘビーな感じではなく。
ただ行く必要性が感じられなかったから、という至ってシンプルな理由で登校を拒否していた。
だから行きたくなかったんだけど……なぜか父さんに他県にある高校の転入を強制され、その県に引っ越しまでさせられて行くことになった。
だけど今は6月。しかもあたし高校2年生。
………すっごく微妙な時期だ。