天色ガール
あたしのせいでドアに頭をぶつけたのか。
…とりあえず謝ろう。初日から沙汰を起こすのは御免だ。
「ああ”?そんなんで許すわけ…」
「お〜い。一般人に手ぇ出しちゃ駄目だろー?」
赤髪の横から、ひょっこり背の高い男が現れた。
ムラなく染まっている藍色の髪。襟足は耳の下まで伸びている。
ダークブラウンのややタレがちの瞳と涙ぼくろが、彼の甘い顔によく合っていた。
「わりーな。……でも、ここがどこだか分かってんのか〜?」
ゆるい口調でヘラヘラ笑う。
だけど、目の奥では全く笑っていない。