俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

パワーバランス事情

★★★







「伶士ぃぃっ!何で無視すんだよ、おいぃぃっ!」

「い、いいから!いいからやめとけ!」



今にも伶士を追いかけていきそうなスズチカのジャージの裾を掴んで制止する。

まずい。まずい!今あいつらに近づくな!

こんなバトルの直後、何をされるかわからないぞ!

だが、混惑満載のスズチカ。狼狽えながら今度は私に訴えかける。



「な、な、何でだよ!やめとけって!…俺は見てたぞ!おまえが伶士に突き飛ばされて、あの女の人と上から見下されてんのをよ!なずぽよはカノジョだろ?何でそんなことになっちゃってんだよ!おまえらラブラブだっただろうが!」



この分だと…スズチカが目撃したのは、壊れ掛けの結界を回収した後の出来事のみか。

私に回収されるまでは、結界は正常に作動されていたということになる。

そこには安堵だが、断片でもこのやり取りを目撃されたのは痛い。

説明がめんどくせー…。



「…スズチカは、ここに何しに来たんだよ」



スズチカの興奮を伶士から逸らすため、確認込みで話し掛ける。

「ん?」と、スズチカは大きく目を見開いた。

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