俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
mission10 アオイナミダ

水が貰えない花のように









(ここは…?)




何にもない、果てしなく『白』が続くこの世界で。

その中で一人、男性が佇んでいた。

自分と同じ歳ぐらいの、線の細い、儚げな雰囲気を纏った人だ。




《唯一無二の力を持っていたって、僕は結局、無力なんだよ…》




…彼は、張り詰めた表情でこっちを見ている。




《…僕だって、護りたかった…》




その真っ黒な瞳から、涙が零れ落ちた。

暗くて深みのあるサファイアのような色をした、青い涙を。

涙が青い…?この白一色の世界にはなお映える。



(誰…?)



その『青い涙』が、印象的だった。





ーーー『青い涙』とは、その裏の意味に様々な説がある。

例えば、『嘘つきの涙』だとか。…相手を惑わす為に流した涙の色。

そこにいる彼の流した『青い涙』は、どんな意味だろう。



…俺がこれから流すであろう『青い涙』は、やはり鉄板の意味で。



真っ赤な嘘とは真逆の、ただ純粋な。

未熟で青臭かったが為の、後悔の…涙。











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