スノーマジック!
ジングルベル、ジングルベル、鈴が鳴る♪

クリスマスの日、お馴染みのクリスマスソングが街に流れる中、お揃いのマフラーを巻いた双子の男女がピアノ教室のかばんを片手に歩いていた。男の子の方は冬斗(ふゆと)、女の子の方は雪(ゆき)という名前だ。

「寒〜!早く帰ってココア飲みたいね〜」

雪は手にハアッと息を吹きかけながら言う。街がイルミネーションで飾られ、一気に華やかになるクリスマスは大好きだが、寒いのが厄介だ。

「家に帰ったらまずは手洗いうがい。それから今夜するクリスマスパーティーの準備の手伝いしないといけないから、ココアが飲めるのはだいぶ後になるぞ」

寒さからか無表情でそう言う冬斗に、雪は「そっか〜。でもクリスマスパーティー楽しいからお手伝いするのも苦痛じゃないな」と無邪気に笑う。その様子を冬斗は冷めた目で見つめた。

「クリスマスパーティーって親戚が集まってご飯一緒に食べて、子どもはゲームしたりするだけだろ?いつもよりうるさくなるだけじゃん」
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