許す事ができるの?

···恵


恵は、これで良かったのだろうかと
考えていた。

なにも知らない男性を
自分と咲茉の部屋へ招いて····

だが、咲茉を自分の身体を
犠牲にして助けてくれた上杉さん。

上杉さんが、あの時
咲茉を助けてくれたなかったら
そう思うと···今でも身体がふるえる

そして、助けられなかった
どこか遠くを見ていた自分に
情けなく···苛立つ····
母親なのに·····
命より大切な我が子なのに·····
そう何度も考え····思い····
咲茉を抱き締めて
謝りながら、咲茉の無事を
確認してしまう。

咲茉は、
「ママっ。もう大丈夫だよ。」
と、毎回言ってくれる。
娘に慰められて
情けないが····
怖かった······

咲茉は、上杉さんが来ると伝えると
飛び上がって喜んだ。

二人で夕飯の準備をした。
時間通りに上杉さんがやってきた。

オートロックのブザーがなり
咲茉が解除する。
玄関のブザーがなり
「はぁ~い。」
と、咲茉が言い
「陽ちゃん?」
「はい。上杉です。」
「クスクスっ、どうぞ。」
と、咲茉が鍵を開けると
「おじゃまします。」
と、上杉さん。
「どうぞ。」
咲茉。
私も顔を出して
「道、わかりましたか?」
と、訊ねると
「はい。いえ、
え~と、何度も検索しました。」
と、頭をかきながら話す上杉さんに
私と咲茉は、顔を合わせて笑ってしまうと
上杉さんも笑っていた。

上杉さんに上がってもらい
リビングダイニングに案内して
椅子に腰かけてもらう。
彼は、テーブルの上の料理に
目を輝かせていた。

それから、咲茉に
「これ、後で食べてね。」
と、箱を渡した。
咲茉は、
「ありがとうございます。陽ちゃん。」
と、言って私に渡すから
「すみません。
かえって気をつかわせてしまって。」
と、伝えると
「いえ、女性のお宅に伺う事がなくて。
何を持っていくべきかわからず。」
と、照れながら言う上杉さんに。
「うふっ、そうですか?
ありがとうございます。
後で、一緒に頂きましょう。」
と、言うと
真っ赤になりながら
「はい。」
と、答える上杉さんに
咲茉が
「陽ちゃん、真っ赤。」
だと、笑っていた。

それから、
三人で食事をするが
上杉さんの表情がコロコロ変わり
それを見て咲茉と笑いながら食べた。

笑いが絶えない食事は
久しぶりで
暖かな気持ちになった。

私が片付けをしている間
咲茉は、上杉さんと話をしていた。

今日は、金曜日
土日は、大丈夫なのかと思っていると
「大丈夫ですよ。
でも、もし良かったら
日曜日、咲茉ちゃんと三人で
出掛けませんか?
厚かましいお願いですが。」
咲茉は、直ぐに
「行きたい。ママっ」と。
「お体、大丈夫ですか?」
と、訊ねると
「嫌でなければ。
月曜日から学校なので
リハビリに付き合ってください。」
そう言われて
了承した。

返事がしやすいように
話してくれる
さすが、先生だと思ってしまった。

帰る、上杉さんに
咲茉は、寂しそうだったが
上杉さんから
「日曜日、迎えにくるから
行きたいとこ決めて
ママに伝えて。」
と、言い咲茉の頭を撫でて
帰って行った。
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