許す事ができるの?

···やっと


社長である父の仕事を
父の実子である長男が
引き継ぎを始めた。

父の実子達は、俺に嫌な顔はしない。

仕事だと割りきっているのか
父に言われているのか
わからない·····が····

俺は、長男である健(たけし)さんに
時間を貰い話をした。

・自分の父と言う人を知りたいと思った事
・自分の中に、やはり父に認めて
  貰いたい気持ちがあった事
・母親の面倒を見ると言われた事
・結婚していた妻を認めると言われた事
  等を話した。

だが、全ては、自分の身勝手な考えや
甘さやバカさ加減に
妻を母を····悲しめて苦しめ
妻とは離婚、母には、
呆れられ関係を絶たれた事
全てを······

専務になるように言われて
父に認められたと思っていたが
そうではなかった。
父が目をかけている女性を
自分の秘書にされた
その女性は、自分と妻だった女性との
付き合っていたときにも
邪魔をされていたことがあったと

何度も退職届もだしたが
認められず·····
どこに行っても圧力をかけると
言われた事。

その上で、
会社を辞めたいこと
副社長になるつもりは無いことを伝えた。

健さんは、
「すまなかった。
父から君の事を聞かされたのは
俺が高校の頃だ。
弟は、まだ中学生だった。
君の母親は、何も望まず
ただ、ただ、母に申し訳ないと
詫びていた。
その時、君の母親が妊娠している事は、
誰も知らなかったんだ。
母は、泣く泣く父を許したんだが·····

だが、父は、君の達を調べていて
君が生まれた事は知っていたんだ。
だが、母の気持ちを思うと
いたたまれなくてね。

君、いや、律の好きな様にしたら良い。
父には、口はださせない。
俺は、弟と、会社を母を守っていく。

まぁ、父には、そんな力は
もうないよ。
父は、癌だ。
がむしゃらに働いてきた人だ
ゆっくりと過ごして欲しいと
思っている」
と、言って貰えた。

俺は、肩の力が抜けて
涙が流れた。

健さんから、
「弟の靖(やすし)に
引き継ぎをして欲しい。
少しの間だけ頼む。」
と、言われ
「もちろん。」
と、答えた。

それから、
「父の遺産等は放棄します
会社の顧問弁護士に
  手続きをして欲しい。」
と、伝えた。

靖さんに引き継ぎをして
水島建設を退職する。
約10年か·····

健さんから、多額の退職金を頂いた。

「すまなかった」の言葉と共に。

秘書の戸川さんの事は、
健さんと靖さんに任せる事にした。

健さんと靖さんと挨拶をして
会社を出ると

会社を出た所で
戸川さんと男性が話し?ていた。

戸川さんの大きな声が····響く·····
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