許す事ができるの?

···情けない自分


久しぶりにあった恵に
謝罪したい、焦りがあり
靖さんに叱られた。

謝って済むことではない。
恵の娘が、大きな怪我をしていたら····
と思うだけで身が縮む。

今は、ただ····
ただ····お詫びをするしかない

だが·····
娘の話をする恵に
異変が······
何が····どうなってる····
と、思っている間に

子供と上杉さんが入ってきた

上杉さんは、
男から見てもかっこよい
と、思っていると····

恵は、娘を抱き締めて謝り

娘は、恵を抱き締め返して
「大丈夫だよ。」
と、言っている。
上杉さんは、恵の背中を撫でながら
恵に話しかけている

俺には、できない事だ。

俺が····俺さえきちんとしていたら
恵を誰にも触られずに済んだのに
情けない

そんな思いを感じている時に
恵の娘が俺たちの事を
恵の友達か?と訊ねていた。

すると·····

えっ、俺の?
俺と恵の·····子?······

この子····が······

律は、今までも
何度も、何度も、後悔をしてきた

だが、今回は、尚更
自分が残念で情けなかった。

「恵·····
「青木さん、勘違いしないで
下さい。
あなたに知らせたくて
咲茉に話したわけではありません。
咲茉に訊かれたことに
嘘や欺く事をしたくなかっただけです。
あなたと離婚して
しばらくして妊娠しているのが
わかり、私は生むことしか
考えなかった。
咲茉は、
私のたった一人の家族で
私の可愛い、可愛い娘なんです。
あなたに責任····とか
親権···とか、思ってほしく
ありません。」
と、言われた。
その事を告げる恵の目は、
娘に対しての愛情と
母親としての強さを感じたが····

俺の····と·····思うだけで
涙が溢れボタボタと
手の上に落ちて行く。

すると、俺の手の上に
可愛いハンカチが置かれ····
横を向くと女の子·····えまが····いて
俺の涙をそっと拭いてくれた。

俺は、そんな我が子に
涙が止まらなくなる
「初めまして、荒垣 咲茉です。
小学一年生です。
あの、パ···パ··ですか?」
と、言われて
首を何度もふる

声を出したいのに
涙が邪魔をして···でて来ない····
「パパは、泣き虫なの?」
と、訊ねられ
横に首をふる
その間にも咲茉は、俺の涙を
拭いてくれていた。
優しい子だ。

そこへ······
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