許す事ができるの?

···お泊まり


約束通りに恵は
『今、学校に着きました。』
『今、授業終わったよ。』
『今日は、早退させてもらった。』
と、連絡をくれた。
見る度に、顔が崩れていくのがわかる。

ダメだな···顔にでるほど
恵が愛しくてたまらない
今は、恵の身体を心配している
筈なのに····

『連絡ありがとう。
無理しないで、家でゆっくりして。
必要な物があれば、買って行くから
LINEして。』
と、送り授業へ向かった。

回りで、先生方が
そんな俺を見て····
驚き?飽きれ?心配?している事も
知らずに·······

まぁ、俺は恋愛沙汰が
全くの皆無だったから
まさか、俺に付き合っている
人がいるとか思ってもいない筈だ。

学生から
先生方から
学校に来られる業者や
保険等の方から

手紙や、飲みの誘い
チョコ等を渡されても
受け取った事がなく
飄々としている。

俺が、心を動かしたい
俺の心を動かす人に
出会えなかったから仕方ない。

恋愛?をしていた頃の
トラウマ?のせいかもしれないが
恋愛をするのが億劫に
なっていたのだ。

だが、恵に出会ってから
恵の生き方
恵の強さ、儚さ、優しさを知り
咲茉に愛情を注ぎながら
仕事も凛とこなす
彼女の生きざま、彼女の容姿
全てが好きで愛しくてたまらない。

一度は、諦めようとした。
咲茉にとって本当の父親が
よいのではないかと····
恵が、俺と彼との間で悩み苦しむのでは
ないか·····と。

だけど、今は、
俺の横にいてくれる
恵を····咲茉を····
大切に大事にして生きて行きたい

授業が終わり
一度、自宅に帰り荷物を持ち
恵に
『今から出るけど何かいるものある?』
『大丈夫かな?気をつけて来てね。』
と、返信が来て
またまた、顔が綻ぶ。

心がウキウキ、ワクワクする
自分に中坊か?と笑ってしまう。

さぁ、行こう
恵と咲茉の笑顔を見に·····
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