許す事ができるの?

···改めて


咲茉が帰ってくると同時に
陽史さんが到着した。
「あっ、陽ちゃん、いらっしゃい。」
「咲茉、恵、お邪魔します。」
「いらっしゃい。陽史さん。」
「身体大丈夫だった?恵、これ」
「うふふっ、うん。なんともないよ。
口の中に違和感があるだけ。
ありがとう、後で食べよう。
咲茉、陽史さんの荷物を運んで。」
「はぁい。」
「咲茉、ありがとう。
   恵、何かやるよ。」
「うん、ありがとう。
   先に手を洗ってね。」
と、言われて手を洗いに行き
恵に言われたように
食器を並べると
次々に恵が盛り付けしていく。

それにしても恵の料理は美味しい
今日も美味しそうだ。

咲茉に一緒にお風呂に入ろうと
言われたが·····
恥ずかしくてお断りすると
咲茉は、笑いながらお風呂に
行ってしまい
恵と二人で笑ってしまった。

次に入れてもらい
あがると咲茉の宿題を見て
学校の話を訊ねたりして
恵があがると三人でしばらく話して
咲茉は、自分の部屋で
眠りについた。

恵と二人になり
「身体、大丈夫だった?口の中は?」
「身体は、大丈夫。口も今は
問題ないかな···
一度、心療内科?で診てもらった方が
よいのかな?」
「恵が気になるなら、一緒に行くよ。」
「うん。養護教諭に訊いてみる。」
「そうだね。無理しないように。」
「陽史さん·····
「恵、改めて言うよ。
荒垣 恵さん、俺と結婚を前提に
お付き合いしてください。」
と、恵が何かを言う前に
告白をした。

「バツイチで、子供がいる私で
本当にいいの?
陽史さんより咲茉を優先するよ。
それに、悩んで、はっきりしなくて····
「俺は、咲茉も大好きだよ。
咲茉と恵と、ずっと一緒に
いたいんだ。
恵が、もし、本当に俺に対して
そんな感情が持てないなら
はっきり、断ってくれ。」
と、言うと
「ううん。陽史さんが好きよ。
陽史さんといる空間は
落ち着くし、私の癒しなの。
だから、勝手の良いかも
しれないけど、宜しくお願いします。」
と、言った。
「ありがとう。
ずっと恋愛から遠退いていて
自信なかったんだ。
俺が、心から好きになったのは
恵が初めてなんだ。
今までも恋人がいなかったわけでは
ないよ。高校や大学時代に。
付き合って欲しいと言われて
俺なりに真剣に付き合ってきた
つもりなんだけど
付き合ってみたら、違っていたとか
自分の事を本当に好きなのかわからない
とか、何度か言われて
トラウマみたいになって。
見合いの話も全て断ってきたら
今では、もうこないよ。
両親もあきらめたみたいで。
まあ、弟夫婦が両親と一緒に
暮らしているから安心してるんだ。
あきれた?」
「そんなことないよ。
病院の中庭で陽史さんに抱き締められた
時、不思議と本当に不思議と思うほど
嫌、ではなく安心したの。
性格もなにも知らない男性なのに
暖かかったの。陽史さんの腕の中は。
あの時から、私は陽史さんを
意識していたと思うの。」
「俺も、初めての事だった。
出会ったばかりの女性を
抱きしめるなんて。
儚くて、壊れそうで
守りたいと思ったんだ。
それは、今も全く変わらず
ずっと、ずっと
恵と咲茉を守って生きて行きたい。
そして、三人でいつまでも
笑いあって行きたい
と、思っている。」
「うん。うん。そうだね、ありがとう。
ずっと、そばにいて欲しい
ずっと、笑いあって行きたい。」
と、言う恵に
陽史さんは、キスをしながら
「愛してる」
と、言ってくれて
返そうと思うが
久しぶりにキスに頭の中は
ボォっとなっていた
「口の中、大丈夫?」
と、訊かれて
頷くと陽史さんの舌が
入りこんできて、深い深いキスになる。
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