今日からニセモノお姫様!
1.

私、偽物のお嬢様になる。







「アナタには今日から華宮家の一人娘、華宮 乙女様になってもらいます」


私の目の前で大変見目の麗しい執事の格好をした男が私にそんなことを表情一つ変えずに淡々と言う。

この男は先程この城とも言える豪華絢爛な家に私を無理やり拉致して来た張本人である。


何を言っているんだ、この男は。


「…」


不審な目でその男を見つめながらも私は一言も発せない。


意味がわからないのだ。
この男の言っていることもそうだがそもそもこの現状が。


何をまず言えばいいのかわからない私はとりあえず何故こんな謎の状況に陥ってしまったのか少し前のことを振り返り始めた。









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