看取り愛~あなたの子は大切に育てます~
5年後
「朔ちゃん、ママが迎えに来たわよ~」

「は~い」中から飛んできて果歩に抱きつく。

「朔太朗ただいま。尚子さんいつもありがとうございます」

「いいのよ。私がお願いしたんだから」


~5年前~

わが子の誕生と同じくして亡くなった涼太朗。
覚悟はしていたが、辛い別れを経験した。

それでも、生まれたばかりの朔太朗を放って哀しんでいる訳にもいかず、哀しむ間もなく子育てに奮闘した。それも、涼太朗さんの愛情だったのではないかと果歩は思う。哀しむばかりじゃなく前に進めと言われているようだった。

そして、涼太朗は全てを果歩に託してくれていた。弁護士に相談して財産を果歩名義に変えていたのだ。驚くほどの額の財産。それは涼太朗の作品への評価だ。





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