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 お酒の力とは恐ろしい。
 陽茉莉は自分がしでかした数々の所業に、羞恥のあまりに顔から火が出そうだった。

 今朝、気持ちよく目が覚めて大きく伸びをすると、視界の端に大きなもふもふが映った。そちらに目を向け、パチリと目が合う。
 その瞬間、昨日の出来事を全て思い出した。

 こともあろうか、上司に向かってあれやこれやの醜態をさらした挙げ句に、最後は一緒に寝てくれとおねだりしたのだ。

 あり得ない。本当にあり得ない!
いっそのこと、記憶が飛んでくれていたらよかったのに!

 しかしながら、そう都合よく記憶は飛んでくれなかった。
 相澤は特に何も言ってこなかった。それが逆にいたたまれない。