恋愛日和〜甘々とSに悩まされています!〜

迫る想いと抑える感情

「仁梨、早く……終わるといいね。」


「うん……」



あれから数日、先生を見ないように過ごした。
……でも何でかな、学校で聞こえてくる声
相原先生の声ばかり追ってる。
先生の声だけ浮かび上がるように……


「あ、川瀬さん。」


なんで今……目が合うの、、、


「逃げないでください。」


「…逃げんな。」


聞いたこともない低い声……
何か、怒っているように感じた……すごく怖い。
逃げられなかった……足がすくんで。
私は俯いて話なんて……できない……。



「俺……そんなにダメか?」


「…ち、違います。」


「違うなら……どうして、連絡も……答えも……
全てに応えてくれないの…?
俺の何がいけない?
……仁梨を手に入れるには俺じゃダメってこと?」


……圧が凄いのか、ほんとに壁へおいやられてしまった。いくら実習生だと言ってももうすぐ教師になる人。私が学生である以上……応えちゃ、いけないんだ……


「…放課後教室に残ってて。2人きりでちゃんと話がしたい。」


そう言い残して、先生は私から離れた。
この時間生徒や先生も通ることが少ない廊下で
立ち尽くし……気づいたら力が抜けて座り込んでた。
授業のチャイム……なっちゃった……初めて。サボったかも……


何も考えられずその場所に数分。
パタ、パタと……なんの音だろうか。
うちの生徒だろうか……教師なのだろうか。
スタスタ歩く音が…スリッパの音がした。



「え……まだ居た」


その音の招待は…聞き覚えのある声、そして姿。
相原先生が戻ってきた音だった。
あ、あぁ……ここ、数学準備室前だった……。
怖すぎて……何も動けない。


「ごめん、俺言い過ぎた。
川瀬さんは良いの?……授業サボって。」


「さ……サボってなんか……ない……
誰のせい…で、動けないと思って………っ…」



泣きたくなかった。
私の変な感情が私の心をめちゃくちゃにする。
感情なんて……今は1番要らないのに……


ぎゅって抱きしめ…てくれてる。
手を引いて、数学準備室。
なんで嫌なことされてるのに逃げたり……怒ったり……離れたり……出来ないの?!
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