赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―
第2章

もっと知りたい三日月

†††



「柚季ちゃんは初デートにどんな服着ていった?」

「ピクニックに行ったからカジュアルな服を着ていったよ。でも、色はピンクにして可愛さを入れたかな」

「なるほど~」



中間テストが終わって1週間が経った、土曜日の昼下がり。

今、ショッピングモールにあるカフェで、柚季ちゃんにコーディネートの相談をしている。


というのも、明日は待ちに待った潤くんと出かける日なのだ。



「夜城くんのイメージだと、落ち着いた色の服が好きそう。月食の時に着ていった服とか反応良かったんじゃない?」

「うーん、何も言われてないからなぁ」



抹茶ラテを一口飲み、これまでに着た服を思い出す。


月食観賞の時は白と紺のシンプルコーデ。
勉強会の時は自転車移動だったから動きやすいパンツコーデ。

潤くんのおじいちゃんとおばあちゃんに失礼のないよう、露出を抑えた服を選んだ。


しかし、潤くんは服装に言及することは一切なかった。
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