「汐、来週、面接するカフェの場所、教えてくれる?」



 次の日、少し遅めに起きた。

 いつも週末にまとめてやる部屋の掃除を終えて、ラグに座りながら洗濯物をたたんでいる真雪が唐突に言い出した。

ベッドの上でマットレスに新しいシーツをかけている手を止める。

 そういえば週明け月曜日に面接を控えているのに、父のカフェの場所を教えていなかった。



「あー、店の場所、口で説明してもわかんねえから今日行くか」

「え、なんか緊張する」

「大丈夫だって。今日、面接するわけじゃないんだから。客として」



 昼食をそこで食べて、どうせなら来週分の食材も買っておきたい。

それに実家のある最寄り駅は、石川さんの車に知らない女の人が乗っていたのを見た場所だった。
もう連絡を取らないと決めても、また見かけたりでもしたら、きっと微妙な気持ちになる。そうなったとき、1人でいたくない。