それから、石川さんとは曜日はバラバラだけど、週に一度は一緒にご飯を食べるようになった。

コース料理はかしこまっていて嫌だと言ったら、チェーン店の居酒屋やカロリーの高そうなラーメン屋だったり、豚バラが絶品だという串焼き屋だったり、時間を持て余した学生が好みそうな店に連れていってくれた。


 横内明日香は「もっと高い店に連れてってもらえばいいのに」と笑ったけど、あたしはそういう庶民的な店のほうが緊張しないで済むからそっちのほうがよかった。



 初めは遠慮していた酒も何度も気にしないでと言われたら飲むし、送るよと言われたら家の近くのコンビニの駐車場まで送ってもらうようになった。さすがに家までは無理だけど。


 家まで送ると何度も言われたけど、アパートを見られるのは嫌だったし、部屋に「入りたい」なんて言われたらと思うと、勝手にその先を想像してしまって怖くなる。

まだそこまでの心の準備ができていない。



「今度はさ、汐が店決めてよ」

「あたしに任せたらこの前の居酒屋になりますよ」

「本当に酒好きだね」

「外で飲むのが好きなんです。居酒屋、1人だと入りづらいし」