一夜の奇跡は真実の愛を灯す~副社長の甘い誘惑に溺れて~
激しさと優しさに酔いしれて
『わ、私、帰ります。演奏、ありがとうございました。失礼します』


そう言って、慌てて席を立とうとしたら、紅月さんが私の腕をつかんだ。


ハッとして、思わず、紅月さんの目を見てしまった。


『帰さない。今夜は…もっと君といたい』


あまりに甘くてドキッとするセリフに「この人になら騙されてもいい」って…


なぜか、そんなこと思ってしまった。


黙ったまま見つめ合う。


そして、数秒後、紅月さんが言った。


『2人だけで話そう』


それから、私はもう…


言われたようにしか動けなかった。


まるで、魔法にでもかけられたみたいに…


2人で紅月さんの車に乗り込み、少し移動したけど、その間の会話はなかった。


数分で立派な高級ホテルに到着し、フロントで名前も名乗らずチェックインした。


この人、いったい何者なの?


悪い人だったら、こんなホテルにすんなり泊まれないよね…
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