ありきたりの恋の話ですが、忘れられない恋です
慕情

お兄の結婚式から半月ほど経った金曜日、仕事の休憩中にお兄からのメールが届いた。

『お土産買ってきた。持って行きたいが忙しいから、届けることにした。今日、そっちに行く予定だから、受け取れ』

ん⁈

そっちに行く?って…宅配が行くって意味か!

宅配時間がわからないけど、まぁ、宅配ボックスに入れてくれるだろうと勝手に解決して仕事に戻った。

私の勤め先は、ブックオーシャングループといい、海林堂という小さな書店から始まった会社で、本店のある街を中心に隣県まで支店が広がっていた。右肩上がりの勢いに乗り、今は全国に支店を広げつつある。

私の勤める出水支店は、書籍類、雑貨や文具を販売だけでなく、DVD.CD.最近ではコミックのレンタルもあり、海林堂、初のカフェスペースを店内に設ける割と大きな店舗になる。その店を支える社員、パート、アルバイト総勢約40人ちょっとで、朝、10時から夜の10時まで営業し、多くの方々にご利用頂いている。

私は経理事務として勤務している為、人手が足りない時以外は残業はない。奥の事務所で伝票処理や、前日の売り上げの集計、各部門の業績を事細かくメールで報告し、売り上げが伸びやんだ部門の対策を店長とたてたりもする。
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