ありきたりの恋の話ですが、忘れられない恋です
逢瀬

高校からの付き合いの鳴海とは、お互い就職先が隣県になり、住む場所もご近所さんにするほど仲が良く、
昔から、お互いの恋愛相談をしていた。

だから、私が晶兄をずっと好きでいることを知っている。

高校生の頃の私達には、社会人は手の届かない大人で、背伸びをしないと恋愛対象として見てもらえないと馬鹿な考えを持っていた。うっすらとメイクをして学校へいき、下校後は駅近くのショッピングモールの女子トイレにあるパウダールームで大人っぽくメイクをし直して、私服に着替え、晶兄が勤めていた出版社付近をうろついたりもしたが、偶然なんておきなかった。

メイクと少し大人びた服装が高校生に見えないようで、ナンパされることがよくあった。その度に、大学生と偽って夜遅くまで遊んでいた。

が、ある日、そんな生活を過ごす私達に罰が当たった。

今まで何事もなく楽しく遊んでた私達に、貞操の危機が…

ナンパされた男性陣とカラオケで楽しんだ後、もう一件行こうとゲスな笑みを浮かべる男達に、ラブホ街に連れてかれそうになったのだ。

やばいと逃げようとしたが、囲まれて逃げられない。
鳴海と2人で手を繋ぎ、もうダメだと諦めかけた時、偶然、飲み会の帰りだったらしい集団とすれ違った。
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